覗いてかじって
自分は不器用なくせに完璧主義で結局半端だと感じる事も少なくないが、好きなものは好きと言えるし、その思いのままかじってみれば自然と知識も経験も手に入る。
そこをどこまで突き詰めるかは仕事でもない限り全く個人の自由だ。
4、5歳の頃、テレビで能面を観た。
恐らく小面と般若であったと思うが、魅せられた。
幼い目には怖くも映ったが、それだけではなかった。
大学では謡曲本を読んだり能鑑賞を行う同好会に所属していた。
そこでの活動の延長で能楽師の方にお会いしてお話を伺えた事は宝物のような時間であった。
能についての本を探して白洲正子の著書を見付け、そこから知ったのが白洲次郎。
夫妻の生き方に憧れを抱いた。
二人が過ごした「武相荘」に行くのが今後の楽しみの一つで、レストラン&カフェも併設されているので、その日のランチはぜひそこでと予定を立てている。
その世界に精通していなくとも、何となく惹かれる気分だけで覗いてみるのも、人生の一端を彩るには充分ではなかろうか。