30代、好きなことをしようと思ったら
人生において大きな別れを迎えた日の夜、今後の人生の前祝いとばかりに寿司を喰らいながら、思った。
「好きなことしよーっと」
さて何をしようか、何をしたいか、というか私の趣味「音楽鑑賞・読書」。
確かに音楽を聴くのもそれについての知識を得るのも、読書も好きではある。
だが、好きが講じて・・といった、別の趣味が欲しかった。
人に趣味を訊かれた時は「散歩も好きです、カフェ巡りとか」と答えてはみるが、その実だらだら歩いて行き着いたカフェで再度だらだらするぐらいである。
好きなことを始めようと思い立ってから3ヶ月。
寿司で一気に過去が吹き飛ぶわけもなく、時折押し寄せては頭をもたげるタラレバに唸り、泣き、‘‘結局は同じ結末であった‘‘に落ち着くという流れを一人で繰り返し、する事と言えば職場と家の往復。
そこから気持ちが徐々に上向き、
・・そういえば、私は茶道に興味があったな・・と朧気に考えていた頃、それをぽろっと話した知人を介して茶道の先生を紹介していただける事になった。
正確には知人の更に知人に茶道を習っている方がいて、その方が通う教室の連絡先を教えていただいたのだ。
早速然るべき日時に連絡し、現住所などを話したところ、私が通い易いであろう教室を紹介していただき、そちらの見学に伺ったのが今の社中との出会いである。
現在、この社中に行き着くまでお世話になった方々には勿論、茶道を学ぶ中で折々に、「ありがたい」と思う事が増えている。
好きなことをしようと思ったら、感謝の日々が待っていた。